とよあけの自然 

不思議な生き物 ~ホウネンエビ~

不思議な生き物【とよあけの自然】の画像

腹面を上にして泳ぐ(1マスは1センチ四方)

 

 初夏の水田に、突然しかも短期間に小さなエビのような生き物が大量発生することがあります。体は半透明で葉状脚(ようじょうし)を持ち、脚を上にして群遊(ぐんゆう)します。大きさは15~20ミリ、1対の複眼、11対の脚、赤い尾、2対の触角を持っています。そして何よりも腹面を上にして泳ぐ様子は、実に奇妙です。
 この生き物はホウネンエビといい、豊作の前触(まえぶ)れとされています。天保年間(1832~1844)の豊作の年に金魚屋が売りに来たことから名前がつけられたといわれています。専門的には節足動物(せっそくどうぶつ)―甲殻類(こうかくるい)―鰓脚綱(さいきゃくこう)に属し、ミジンコの仲間になります。
 本市でも、平成11年6月上旬に沓掛(くつかけ)・間米(まごめ)・前後(ぜんご)地区等の水田で大量発生し、この年は平年を上回る米の収穫がありました。いろいろ調べたところ、ホウネンエビは水温が20~25℃で、4~5月に晴天が多いときに大発生がみられ、またそのような年は稲の生育もよく豊作になると考えられます。
 初夏の田植えが終わり、一段落した頃、田んぼの片隅をそっと覗(のぞ)いてみてください。きっと不思議な生き物に出会うことができるでしょう。

 

市史編集委員 浅井 常典

このページへのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?
このページの情報は役に立ちましたか?