とよあけの自然

ウラジロ ~正月を飾る植物~

 ウラジロ【とよあけの自然】の画像

翼を開いたように葉を広げるウラジロ(沓掛町)

 

 昔から正月を飾る植物には、松竹梅(しょうちくばい)や橙(だいだい)などとともに、シダ植物のウラジロがあります。豊明市 内には30数種のシダ植物がみられますが、ウラジロはその中の一つです。丘陵地の林下や林縁に群生しており、同じように葉裏の白い小型のコシダとともに見られることもあり、コシダに対して大きいウラジロはオオシダともいわれます。
 ウラジロは、葉裏が白いことからそう呼ばれますが、元来ウラジロは葉が枝垂(しだ)れるようにつくことから「シダ」と呼ばれていました。今でもウラジロを単に「シダ」と呼ぶ地方がありますが、昔からこの「シダ」に「歯朶」の字を充(あ)てて「ヨワイノエダ」と読ませ、葉裏の白さとあわせて長寿の表象(ひょうしょう)としてきました。又、この植物には「モロムキ」の名があります。共に向かい合うと言う意味で、葉柄の先から左右に広がる一対の羽片を向かい合う円満な夫婦の象(かたち)にとったものです。いずれもめでたいことに因(ちな)んで、正月のめでたさを祝って用いるようになったのです。最近は、プラスチック製で裏の白くない模造品が売られているのを目にしますが、やはり純白な葉裏を表にして飾った本物には趣がありますね。

 

市史編集委員 成田 務

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