平成28年度に適用される税制改正

「ふるさと納税」制度による個人住民税の寄附金税額控除の拡充

(1)特例控除限度額の拡充

 ふるさと納税による寄附金税額控除について、特例控除額の限度額が個人住民税所得割額の10%から20%に引き上げられました。平成28年度以後の個人住民税から対象となります。(平成27年1月1日以後の寄附金から適用)

(2)ワンストップ特例制度の創設

 平成27年4月1日以後に行ったふるさと納税について、確定申告が不要な給与所得者など、一定の要件に該当する人は、ふるさと納税先の自治体に特例適用申請書を提出することによって、確定申告を行わなくても寄附金控除が適用される制度が創設されました。
 この場合、所得税及び復興特別所得税からの控除は行われず、その控除分に相当する額を含めて、ふるさと納税を行った翌年度の個人住民税から控除が行われます。
 ただし、次のいずれかに該当する場合は、ワンストップ特例制度の適用を受けることができませんので、ふるさと納税による控除について申告が必要となります。
  • 所得税及び復興特別所得税の確定申告書(個人住民税の申告書)の提出を要する人
  • 所得税及び復興特別所得税の確定申告書(個人住民税の申告書)を提出した人
    (給与所得者が医療費控除の適用を受ける場合など)
  • 申告特例申請書を提出した都道府県・市区町村の数が5を超える人
  • 申告特例申請書又は申告特例申請事項変更届出書に記載した市区町村と寄附した年の翌年の1月1日にお住まいの市区町村が異なる人

住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除)の延長

 住宅ローン控除の適用期間が1年6か月延長されました。これにより、平成31年6月30日までに居住を開始し、所得税の住宅ローン控除を受けた人は、当該年分の所得税において控除しきれなかった金額がある場合、翌年度の個人住民税で控除が適用されます。

 

 

公的年金からの特別徴収制度の見直し

(1)仮徴収税額の算定方法の見直し(特別徴収税額の平準化)

 特別徴収の平準化を図るため、仮徴収税額が「前年度分の公的年金等の所得に係る個人住民税額の2分の1に相当する額」となります。
  仮徴収 本徴収
4月 6月 8月 10月 12月 2月
改正前 前年度分の本徴収税額×1/3
(前年2月と同額)
(年税額-仮徴収税額)×1/3
改正後 (前年度分の年税額×1/2)×1/3 (年税額-仮徴収税額)×1/3

(2)転出・税額変更の場合の特別徴収の継続

 公的年金からの特別徴収対象者が他市町村に転出した場合や特別徴収の税額に変更が生じた場合、特別徴収は停止となり、普通徴収(納付書などによる納付方法)に切り替わっていましたが、一定の要件下で特別徴収が継続されることとなりました。